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野中 アメリカへ行かれる時も殆ど知識が無い状態で行かれた訳ですから
    帰国されて日本のカイロプラクティックの現状に対して
    非常に驚かれたんじゃないですか?


榊原 それは非常に驚きましたね。
    まず、「DC(ドクターオブカイロプラクティックの略)」というだけで
    
神 様 扱いでしたからね。 色々優遇されるわけですよ。

    「え〜そんなに凄いの〜???そんな凄くないだろうー!」って
    思いましたね(笑)

野中 日本ではカイロプラクティックの位置づけはあくまでも民間資格ですから下手をすると3日講習で
    カイロプラクターを名乗る人もいるくらいです。

    先生からご覧になった日本の現状、特に技術面ではどのような印象を受けられましたか?


榊原 残念ながら、
全体的なレベルはかなり低いです。
    私も講師として教える立場を頂いて、カイロプラクターとして卒業する生徒達を見ていますが
    多くは臨床上、疾患に対して的確なアプローチすることができません。

    例えば、ぎっくり腰の方や鞭打ちの方、頭痛持ちの方が来ても アプローチの仕方が分からない のです。
    で、何をやっているのかというと、いわゆる「ほぐし(リラクセーション)」なんです。

野中 カイロの学校を卒業したのに、現場ではリラクセーションをやるのですか?
    普通に考えて、学校卒業後にそのような疾患に対してのアプローチが出来ないということは
    学校のカリキュラムに問題があるのか、教える講師陣に問題があるのか?
    ということに考えが行くのですが・・・。どこに問題があるとお考えですか?


榊原 私が思うに、まずは教える側です。
    現在の日本の学校システムでは、学校の卒業生がそのまま講師をしているところが少なくありません。
    
講師自身が現場経験が少なく、カリキュラムに沿ったことしか教えられない現状 があります。
    そのような中で育つ生徒が現場に出て使えるテクニックを持てる筈はありません。


榊原 それに、そういった生徒達がいくインターン先や職場などの多くはリラクセーションのお店です。
    ですから来るお客側もカイロの技術を求めていないことが多くあります。

    学校で教えている内容と、実際に現場で求められるテクニックの相違 も大いにあると思います。
    そのような状況で独立、開業しても果たしてカイロプラクティックと呼べる技術を提供できるかどうか
    と言われると厳しいでしょうね。




野中 色々な要因はあると思いますが、確かに現在の日本では
    癒しというか、リラクセーションが非常に広く受け入れられています。
    ニーズを考えると看板がカイロプラクティックとなっていても、
    実際はマッサージ的なリラクセーションを行っているところは多くあると思います。

    食べていくというのが先にありますから、ニーズに合うかどうかというのは非常に難しい問題ですね。
    経営という側面では先生はどのようにお考えですか?


榊原 経営ですか・・・アメリカでは日本以上にビジネスという概念が強いんです。
    そのアメリカでやってきて思うのは、自分にビジネスセンスは無いということですね(笑)。

    まぁだからというか、
出資者と施術者と経営者は分業 にした方が良いと思っています。

    施術者になる人というのは、いわゆる職人気質の人が多いので経営に向かない場合が結構あります。
    ですから、院長が施術もして経営もしてという日本のスタイルは無理があると思います。
    というか私は無理です(笑)。

野中 確かに、日本では独立開業した場合
    経営も施術も営業も全部一人で行っている場合が多いですね。

榊原 例えば、私は普段施術をしていますが、経営者が別にいますので
    患者さんに対して「今週最低でも3回は来て下さい」と平気で言えます。

    でもこれが経営も自分でやっていると「3回って言ったら来なくなるかな?」とか
    余計な心配が出てきてしまって、結局、
患者さんの体よりも財布の心配をしてしまうんです。
    必要だと思う回数を躊躇なくで言える今の環境は非常に快適です(笑)。

野中 なるほど、日本とアメリカではカイロの位置づけも違いますので
    分業制が受け入れられていくかは分かりませんが、
    確かにそう出来れば良い面のほうが多いような気がします。

    では次に、アメリカのカイロプラクターについてお伺いします。

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