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野中 近年の施術者の質の低下の一因として、施術をサービス業と捉えるアルバイト施術者が増えた事があげられるように思うのですが、先生はどのように思われますか?

宮本 そうですね〜。今は無資格者が何をやっても罰せられないという風潮になってますよね。国家資格を持っている方が厳しい締め付けがあって何かあるとすぐに罰せられるという現状はありますよ。保健所も無資格者については法律の蚊帳の外で『対象になっていない』ような事を言ってるんですから。良いような悪いようなね〜。

野中 ここまで民間資格(各種療法)の業界が大きくなると経済効果の面でも国として一斉排除はできないというのはあるように思います。ただ、個人的にはこの業界というのは、ただのサービス業で終わらせてはいけないと思うのです。今は医師もサービスの事を言われていますが、目に見えるサービスではなく結果で答える事が根本にあるべきではないかと考えています。

宮本 それにはこの業界特有の一匹狼的な部分をどうにかしないとね。何か技術的なことを勉強したくてもどの先生がどのくらいの技術を持っているのかって分かり難いからね。特に技術者っていうのは意固地な人が多くて、こだわりを持っている分、盲目になる事が多いよね。

野中 実は療法.netを立ち上げたきっかけの一つでもあるのですが、自分以外のプロの施術者の方々に認められる素晴らしい技術を持っている先生方がどれだけいらっしゃるのか?と思っていたのです。

宮本 そうだよね〜。素人相手には幾らでも言えるからね。だからやっぱり民間療法も何か統一の学会みたいなものを作るとかは必要だと思いますよ。でもね、技術以前に人間性がどうかという部分は大きいですね。本当に患者さんの為を思ってやっているのなら尊敬できるけどね。

野中 『ヒポクラテスの誓い』の様に、この職業は「どの様な視点を持って行わなければならないのか」というのは、どの様な療法であれ、例えどんなに短期間のスクールであったとしても知識や技術以前に教えて頂きたい所だと切に願います。

宮本 そうやって教えて行く事で、この業界から立派な人が生まれるしね。それは一番大事なことだと思いますよ。人にものを教える事の難しさというのはそこに集約されますよね。やはり技術は幾らでも教えられるけれども、それを使うのは人だから。素晴しい技術ほど人間の教育をしてからじゃないと間違いを犯しますよね。

野中 患者様主体の視点というものがいかに大切かですね。自分がどんなに凄い技術を持っていると言っても、受け手にしてみると凄い技術かどうかは改善したかしないかの結果でしかない、というところに行き着きますから、奢ることのない謙虚な姿勢というのは技術以前に求められるものだと思います。

宮本 本当にそうですねぇ。治りもしないのに日銭が欲しいが為に引っ張るような浅ましい魂胆ではこの仕事をやる資格はないと私は思います。それにそういう施術をしていると大変な事になりますよ。治るはずの患者さんがその先生の判断しだいで治らなくなる事があるんだから。

野中 それは確かに大変な事です。ただ、当然初めからお客様がついている訳ではありませんので、日銭欲しさというのは多少なりとも頭をよぎる事だと思います。でも、本当に患者様の改善が一番だという方向に進んで頂きたいですね。

宮本 日銭欲しさの厳しい現状から脱皮するには相当勉強しないと駄目だと私は思いますよ。最近若い子を指導しているとすぐに出来ないとか、駄目だとかいう人がいますけどね、そういう人には『人に教えを乞う姿勢も無いのに誰も手を貸す人はいない』と言うんですよ。どんだけ苦しかろうが何だろうが、兎に角やるという姿勢が見えればそれだけで周りは自然と協力するんですよ。

野中 それは私も考えさせられるところです。私の場合『する、しない』以前に『逃げる、逃げない』というところがあるように感じています。今起きている問題に対して『逃げない』という覚悟で望めればどのような結果であったにせよ、きっと後悔はしないと思うのです。それに、そこから来る気迫というか、そういう真剣さは周りに伝わると思います。ですから先生がおっしゃられるように、兎に角やるという覚悟を持つ事は非常に重要だと思いますね。

宮本 そうですよ。それにね、そういった姿勢を持っていると、自分の手に負えない患者だと分かった時に、断るという事が出来るんです。その患者さんの為を本当に思えば、自分に出来ないものを出来ないと認めて断る事も正しい回復の道へ導く一つの大きな仕事だと思えるはずなんです。

野中 そうですね。本当に素晴らしいご意見だと思います。そして、とても大切な事だと思います。長くなりましたが、今日は本当に貴重なご意見を頂き、ありがとうございました。

宮本 いえいえ、こちらこそありがとうございました。



 この日、お約束の取材時間1時間を大きくオーバーして2時間もお話をさせて頂きました。お話をさせて頂く中で、先生からは、膨大な臨床経験からくる揺らぐ事の無い確かな自信が感じられました。

 ここで皆様に公開させて頂いているのは、先生との2時間を要約したものです。ですから、実際にはもっと沢山の事をお話させていただいたのですが、癒しや改善の枠を超えて本当に分野を問わず、施術者であれば誰でも聞きたいようなお話が満載でした。編集の都合上、皆様に全てをご覧いただけないのが残念でなりません。

 2時間の取材を終えても先生は『まだまだ面白い話は沢山あるから』とおっしゃって下さいましたが、難治性疾患と向き合ってこられた43年というご経験は若い施術者ほど是非、生で触れて頂きたい、お金では買えない真に価値のあるものだと思いました。

 もしこの取材記事をご覧になって、先生のお話をもっと伺いたい、又は直にご指導頂きたいなどのご要望がありましたら是非ご連絡下さい。先生も後進の施術者育成には非常に前向きでいらっしゃいます。そして、技術だけではなく、真に価値ある講習会を企画させて頂きたいと思っておりますので、宜しくお願い致します。
療法.net 代表 野 中



最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。今後の取材の参考と宮本先生へのお便りに使わせて頂きますので、ご意見、ご感想を是非お聞かせ下さい。

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年代 対談: 先生
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