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野中 最後に施術者として、または講師としてでも結構ですが、夢とか理想とする事がありましたらお話を伺いたいのですが。
渡邉 ん〜これはまず無理だとは思うんですが、やっぱり整体というのは代替医療の分野に入るのですから、もう少し医師との連携が出来たら面白いなと思いますね。
野中 現状では国家資格取得者ですら医師との連携というのは難しい状態にあります。ですから民間療法者となると余計に難しいのは常識となっていますが、そこをあえて医療の一分野として整体というものを築きたいという事ですね。
渡邉 どのような技術であれ、分野の限界というものはありますよね。それは医者も同じだと思うのですが、整体には整体で出来る範囲があります。だから何でもかんでも整体で改善できるわけではないし、それは医者も一緒です。そこを分かった上で、本当に患者さんの為を思うのなら広い枠での医療従事者として協力し合えれば良いなとは思います。
野中 確かに分野が違えば視点が異なりますから、そういった意味では連携できれば得るものは大きいのかなとも思います。
渡邉 例えば、個人的に親しくさせて頂いている歯医者さんがいるのですが、その先生と話をした時に「歯型をとるのに寝ながらとったら起きた時の噛み合わせとずれるんじゃないですか?」というような質問をしたんです。そうしたらその先生は実際に自分でやってみて「あっほんとだ!これはまずい」っておっしゃって、今では起きた状態で歯型をとる様にしているそうです。それが正解だったかどうかは分かりませんが、こういった疑問というのは分野が違うからでてきた発想なんです。ですからどの様な分野であれ、違う分野から得るものはあると思います。それはつまり、患者さんの為だと思うんです。
野中 そうですね。先生のおっしゃるように、分野がどんなに違くても対象とするのは人間の体である事は一緒ですからね。
渡邉 逆に私達がどんなに身体を整えても、歯の噛みあわせが悪かったらまたすぐに戻ってしまう事もあります。でもそれは歯医者さんと情報交換をしていないと気付き難いところなんです。だから各分野での情報交換がもう少しできるようになって行くと面白いんじゃないかと思っています。
野中 今お話を伺っていて思いついたのですが、療法.netは民間療法を扱っているサイトですが、民間療法者の考えとは別に医療従事者の考えを聞けるようなサイト作りをしていくのも面白いのかなと・・・
渡邉 そうですね。そういう方向は面白いと思いますよ。でもそれが善意ある回答じゃないと意味が無いですよね。ただ単に君達はどうだこうだと言われても発展的ではないですから。大体何が良いか、悪いかは我々ではなく、患者さんが決める事ですからね。
野中 分野を超えた連携が出来れば理想だとは思いますが、連携したくないようないい加減さがある業界側の責任も大きいように思います。やり方しだいだとは思いますが、まずは自分の襟を正す事から始めないと駄目ですね。分野違いで争うよりも、どう発展的に協力し合って行くかという方が大事なように思います。
渡邉 それと、施術者として大切なのは自分が改善させたと思わない事ですよね。あくまでもお手伝いであって、改善して行くのは患者さん自身ですからね。そうじゃないと自分にできない事まで出来るって言ってしまったりして、結局無責任な事をして問題になったりするし、そんな人が多くいれば業界全体の信用が無くなるのは当たり前ですよね。
野中 そうですね。一度失った信用を取り戻すのは大変なことです。今日は貴重なお話をありがとうございました。
渡邉 良いお話が出来たかどうか分かりませんが、こちらこそありがとうございました。

私が渡邉先生のところにお伺いした時に、初めて降りる街ということもあり先生の院から1キロ程離れた場所で道に迷ってしまいました。その時に通りすがった方(話し方や風貌からしてたぶん日本の方では無い様に思います)に道を尋ねたところ、地図を見るまでもなく「アァココノ整体院ネ・・・」といってご案内して頂けました。先生にお会いする前に論より証拠で、いかに先生がこの街の方に信頼を得ているかを実感できたわけです。
先生とお話をさせて頂いている最中には、穏やかな口調とは裏腹に整体のあり方や方向性、ご自身の信念や理想など、非常に情熱をお持ちである事が伺えました。
先生はご自身のホームページ内で整体師は『職人』であるという事をおっしゃられていますが、これは実に的を得ているものだと思います。整体の事を技術職(手に職)とはよく言いますが、日本全国にいる整体師のどれ程が職人としての心意気を持っているのでしょうか。昔から職人というのは「頑固者で自分がこれと決めたら梃子でも動かない」と言われて来ましたが、それは自分の中に確固たる信念と正義があっての事だと思います。
「義理」とは『正義の道理』の事だと聞いた事がありますが、分野はさておき施術者であるならば『義理人情』を根幹に自分の施術にプライドを持つ事の大切さを感じました。

最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。今後の取材の参考と渡邉先生へのお便りに使わせて頂きますので、ご意見、ご感想を是非お聞かせ下さい。
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