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野中 心の交流が大切だという事でしたが、先生は実際に臨床ではどのような方法を用いて改善へ導かれているのですか?
村田 まずはカウンセリングですよね。患者さんと一対一で色々な話をします。精神的疾患を抱えている多くの方は自分自身を大切にするという事を忘れてしまっています。ですから、一般的に行なわれているカウンセリングとは別に身体についての知識を教えたり、「心とはこういうものですよ」といった様な私の意見を話すんです。患者さんは自分で頭の整理が出来ていない状態ですから、そうやって話しながら横の糸と縦の糸を紡いであげるお手伝いをするんですよ。そこが改善への第一歩ですね。
野中 なるほど、カウンセリングというとカウンセラーの所見はなるべく話さずに、患者さんの色々な情報を聞きだしたうえで「それで、あなたはそれに対してどうしたいの?」みたいに自分自身に問いかけさせる方法を思い浮かべていましたが、先生はご自身の意見をしっかりお話しされるのですね。
村田 カウンセリングでとても大切な事は愛情を持って接するという事なんです。色々なテクニックとかは確かにあるけれども、そこに心がなければ通じないんですよ。そういう意味では、さんざん勉強をして資格をとったばかりの若いカウンセラーよりもたくさん人生経験を重ねたご老人の方がよっぽど上手に診れますよ。これから育って行くカウンセラーの方々にはどれだけ学術的な知識を得て、様々なテクニックを知ったとしても「経験に勝るものは無い」と思っていて欲しいですね。
野中 年を取れば取るほど人間が丸くなるとよく言われますよね。
村田 そう、つまり人生経験を重ねるほど知識、経験、教養、知性というものが磨かれてくるし、より深い愛情を持てるようになるという事なんです。年寄りは無用の長物なんかではなく、素晴しい財産なんですよ。そこに気が付く若い人が増えてくれば、本当の意味でもっと豊かな国になるんじゃないですかね。

野中 実際に先生のところで改善された方のお話を少しお聞かせ頂けますか。
村田 詳しい事はいえませんが、ある学校の先生がいらした事がありました。学級崩壊に直面した先生で、生徒、保護者と校長先生を初めとする学校側との板ばさみになってしまったんですね。ここに来た時はうつのひどい状態で、もうマイナスの極致ですよ。その人が良くなって、ここを出る時にね、「ここのドアは一人で出て行きなさい、もう帰って来るんじゃないよ」っていって帰したんです。でも玄関のところでなかなか帰らないもんだから「どうした?」って聞くと「先生にお願いがあるんです」って言うんです。「なんだ?」って聞いたら「実は先生に捨ててもらいたいものがある」って言って、出してきたのが首吊り用のロープですよ。
野中 ・・・
村田 その人はリュックサック一つで来て、死ぬ気でいたんですね。「ここで駄目だったら死のうと思ってました。でも、もう必要なくなりました。」って言って捨てるように頼んできたんです。「冗談じゃない、そんなものは自分で捨てなさい」って言って捨てさせましたけどね。そういう人もいましたね。一人の命は地球よりも重いって言われますけど、その命を一人、二人と助ける手伝いが出来たっていう事が今も現役を続ける原動力になってます。自己満足かもしれないけれどもね。
野中 先生のお話を伺っていますと、技術や知識だけではなし得ない『人間同志の心の交流』がしっかりとある事が感じられます。民間療法の通常の施療範囲内では生きるか死ぬかの瀬戸際にいる方というのはいらっしゃらないかと思いますが、幅広い意味での医療として民間療法を捉えるのならば、民間療法だからこそできることがあるように思います。
村田 そうだね。実際に医者の数よりはるかに民間療法者の方が多いんだから、自分達が出来る事が明確になって全体で動いていけば社会に対する貢献は非常に大きいと思いますよ。療法.netさんみたいな動きは業界の為というより社会の為に必要だと思いますが、色んな人がいるから実際に苦労も多いと思います。でも「途中でや〜めた」なんて事はしないでぜひ頑張って欲しいですね。
野中 ありがとうございます。まだまだ小さな波ですが、続けて行くことが大切だと思っておりますので頑張ります。 |
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